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山形藝術界隈○六〔工藤玲那展〕が5月4日より石巻のキワマリ荘「GALVANIZE gallery」での公開制作展(日々の生活の呟きを粘土板に残していく)がスタートしもうすぐ二ヶ月が経とうとしている。
山形藝術界隈のメンバーで最も難解な作家が彼女だった。今回は話す時間だけはあったので、じっくり話をしていくことになる。
工藤玲那は日本人の父と中国人の母をもつハーフで、幼少期の頃より引っ越しが多く、言語でのコミニケーションが上手くいかなかった。普通ならここで、「絵画」と成っていくのだが彼女は「粘土」に向かって行く。
今回の彼女の展示は、ギャラリーで二ヶ月間の生活をしながら「公開制作」を行い最後の一週間だけ、展示(展示替え)のみをする。期間中、彼女の口から「今回は住むことが重要で、それが作品。」と何度か聞いた。何をしているかといえば、ツイッターの粘土バージョン。ネットのSNS情報はいつ消えるかわからないが、メソポタミアの粘土板は一万年残っている。私の(期間中の)呟きも一万年残る。と、彼女は言う。
ここで、彼女の作品を理解するために、前作の作品について触れる。「大人に人気キャラクターを描いてもらう(子供の絵に見える)、それを陶芸で作るのだが、正面しか描かれてないので、背中は想像して制作(一体の長さ約80cm)、それを複数制作する」。人気キャラクターのイメージを描くのだがそれは、描いた個人のイメージである。そのキャラクターを複数製作し、鑑賞者にさらに純度の高い「キャラクターのイメージ」を思い描いてもらう。そう、工藤玲那は「イメージそのものを形にしようとしている。」のである。
さて、今の展示に戻る。先ほども話したが「イメージを形にする」ことをしているのだが、実は、「何の」イメージを形にしているのか!?も問題になってくる。彼女の作品は「何の」と、「イメージ」の二つを理解しないといけない。「何の」はキャプションで済むように感じるがそんな簡単ではなさそうだ。
その鍵になってくるのが身体性だが、これに関しては現在進行形で本人も良く分かってない。期間中も、アマゾンで関連書を購入しては読書に励んでいた。
そんな彼女の「展示」が始まる。
6月の22日(金)、23日(土)、24日(日)の三日間だけだ。私もどんな展示になるのか全く知らない。興味のある方はぜひお越しください!!。
GALVANIZE gallery代表
有馬かおる
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山形藝術界隈○六〔工藤玲那展〕 2018年5月4日~6月24日
会場: GALVANIZE gallery金・土・日曜/11:00~18:00
5月4日より石巻のキワマリ荘「GALVANIZE gallery」にて日々の生活を粘土板に残していく公開制作展を開催いたします。
5月1日より石巻に滞在し、ギャラリー内での制作生活がスタートしました。
ギャラリーで制作しながらの生活をそのまま見せるパフォーマンス。と、
会期最終の6月22日~24日には、制作生活空間が展示空間に姿を変えます。
お近くにお寄りの際は、是非ご高覧ください。
陶芸教室もあるよ!。
陶芸教室もあるよ!。
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日々の生活の記録を粘土板に残す、ということをやっています。まあ、平成に生まれながらSNSが不得意な私なりのツイッターみたいなものだと思ってください。
ツイートという情報の質量は可視化されないですが、私の記録はモノとして、目に見える形で蓄積していきます。
2018年5月4日
工藤玲那
工藤玲那
工藤玲那 参考作品画像:
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工藤玲那/くどう・れな
1994年 宮城県生まれ。東北芸術工科大学美術科洋画コース卒業。自分を含めた人の環境への反応と情緒に興味があり、特に異なるカルチャー同士が出会ったときに起こるかもしれない超爆発を希求。様々なメディアで作品を展開している。個展に「anima」(POST Gallery 4GATS・東京/2017)など。
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山形藝術界隈ブログ:http://blog.geijyutsukaiwai.org/
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